こんにちはkiyoです。
今回は「双極性障害のトリセツ」と題して、双極性障害の患者さんに、周囲の人がどう接すればいいかについて説明します。
僕自身2004年にうつ病を発症し、2013年に双極性障害Ⅰ型と診断されました。
現在は寛解中ですが、そんな自分の経験とともに、下記の書籍を参考にお話したいと思います。
自分の家族や交際相手が双極性障害を患っている、または自分の友人や同僚が双極性障害らしい、というような方の参考になれば幸いです。
ではまいりましょう!
そもそも双極性障害とは?
わかっている方は飛ばしてください。
一応定義をしておきます。
・健常な人の「気分の浮き沈み」をはるかに超えた、激しく病的な症状が一定期間表れる病気
・「気の持ちよう」や「心がけ」で治るものではない「脳の疾患」
・「自分に不可能なことはない」と異常な高揚感に見舞われたかと思うと、一転して「自分には生きている価値がない」とふさぎ込む
・20代から30代に発症することが多い
・100人に一人弱が発症
・患者の男女差はほとんどない
・Ⅰ型は、躁と鬱の差が大きく幻聴や妄想を伴うこともある。ときに入院も必要
・Ⅱ型は軽い躁(軽躁)があり鬱の期間が長い。
双極性障害の原因は、まだはっきりと解明されてないようです。
しかし、この病気は精神疾患の中でも最も脳やゲノムなどの身体的な側面が強い病気だと考えられています。
そのためストレスが原因となるような「こころ」の病気ではないという意見もあります。
ですから、精神療法やカウンセリングだけでこの病気の根本的な治療をすることはできないそうです。
「こころ」の病気ではないとすれば双極性障害は、ストレス耐性の高い性格の人、いわゆる「メンタル強い人」でもなりうる病気なのです。
ちなみに僕はI型と診断されましたが、確かにこの定義にはまっていますw
幻聴や妄想についても、今振り返ればたぶんアレってそうだったのかな。。と思うところはあります(汗)w
それについてはまた別の機会にお話しできる時があればしたいと思います。
こんな人はもしかして双極障害?
次に自分自身の経験を踏まえて、こんな振る舞いをする人はもしかしたら双極性障害かも?という事例をあげてみたいと思います。
ただ断っておきますと、これは僕自身の「あの時は躁が出ていたな。」と思える行動だったり、他の双極性障害の方のSNS等での発言を元にしたものなので、医学的根拠はありません。参考程度に読んでもらえるとありがたいです。
・会うたびにテンションにばらつきがある。
・すごく活発な時と、すごくおとなしい時がある。
・スケールの大きい夢や目標を語っていたのに、次あった時にその話を全くしない。
・自分勝手な思い込みで物事を決めつけることが多い。
・「いろんなアイデアが勝手に湧いてくる。」などと言う。
・活発な時は他人に対して攻撃的。
・おとなしい時は自虐的。
あなたの親しい友達で、もしこのようなことに当てはまる人がいたら、「もしかしたら双極性障害なのかもしれないな。」と心配していただいて、優しく見守ってあげてください。
双極性障害 うつ状態時のトリセツ
うつ状態の患者さんへの接し方は、基本的にうつ病の患者さんに対してと同じです。
・会話する際は、否定や批判したりせずに聞き役に回り、相手に気持ちに共感する
・躁状態の自分を責めて、自己嫌悪に陥っている時は
「あなたのせいではなく、病気がそうさせた」と伝える
・相手にあまり干渉しすぎない
・「ちょっと離れた距離からそっと見守る」という感覚でいる
・その一方で「いつもあなたのこと気にかけている。関係を断つことはない。」というメッセージを送る
・自分が元気にしてやろうとは思わない
自分も患者として経験ありますが、周りの人が何とかしようとアプローチしても余計に事態が悪化してしまうことが多いです。
基本は「つかず離れずの距離で見守る」です。
うつ状態の相手と長く接していると自分も滅入ってきてしまうはずです。
そんな時は無理せず距離を置き、相手が元気になってくるのをじっと待ちましょう。
ずーっと同じ状況が続くわけではありません。
とくに家族や恋人などごく身近な人がこのような精神疾患になってしまうと周りの人も不安になってしまいます。
どうして自分がこんな目に?とか、早く良くなってほしい、などと思う事でしょう。
しかしここは焦らず、長い目で見ましょう。長期戦の構えで相手と接していただきたいです。
双極性障害 躁状態のトリセツ
躁状態の相手と接するのが一番大変だと思います。
「うつは患者本人がつらい。躁は周りがつらい。」言われるぐらいです。
躁状態になると口数がとても多くなり、現実不可能な突飛なことを言うようになります。
「ヨーロッパの古城を買って移住する。」
「映画監督になってカンヌで賞を取る。」
「お金を借りてあの会社を買収する。」
「あの有名人と自分は実は知り合いだ。」
などなど冷静な時には本人でも考えられないような事を口走ります。
案の定、後でものすごく恥ずかしくなり自責の念に苦しむことになります(恥)w
他にも周囲に対して、攻撃的、他責的になって大事な人を傷つけたり、
買い物が止まらなくなったりなど、いろいろと問題のある行動をとってしまいます。
・突飛なことを言う時は否定も肯定もしない
・相手とまともに議論はせず、衝突しないような別の話題にそらす
・暴論を吐いて攻撃してくる時などは「病気が言わせていることだ」と考えまともに受け止めない
・確実な服薬、通院を促す
・常に相手との問題を一人で抱え込まない。周囲に相談できる相手を作っておく
・相手が暴力を振るってきた場合、警察に通報、相談する
特に日頃一対一で相手と接している場合、躁状態がひどい時は一人で相手と向き合うのをやめましょう。
相手の両親や兄弟親族、友人などに連絡して駆けつけてもらい、できる限り一緒に過ごすことをおススメします。
それにしても、こう書いていると躁状態は身近な人に相当な負担を強いてしまうんだなと改めて感じます。患者として、極力この状態には陥りたくないものです。
まとめ
初歩的な内容でしたが双極性障害のトリセツをご紹介しました。
僕的にポイントをまとめます。
・相手を否定しない。無理に肯定もしない
・常にちょっと距離を置きつつも「いつも見守っている」と伝える
・一人で抱え込まない。相談できる相手を作る
・症状があまりに深刻であれば、自分を守るために相手と関係を断つ
以上になります。
今回読む方を限定するような記事でしたが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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