こんにちはkiyoです。
今回はアイデアがでる行動パターンについてお話します。
アイデアについての記事はこれで最終回になります。
過去3回にわたって書いてきました。
一回目は 「アイデアを出すことは答えを出すこと」 と捉え、答えの前には必ず「問題(お題)」がある。「そのお題が正しいかどうか考えてみよう」というお話をしました。
二回目は、 「自分の中の決めつけを疑う 」というテーマで広い視野をもって企画出しをしようというお話をしました。
三回目は「最高の舞台を用意しよう」というテーマで、一見価値の感じられないものでも、状況や受け手が違えばその価値は非常に高まることがあるというお話をしました。
これまでの3回はアイデアを出す際の考え方の話でしたが、最終回の今回はどんな瞬間にアイデアが出やすいのか?どんな行動を取ればひらめきが生まれるのか?という事についてお話します。
ではまいりましょう。
まず結論 集中⇒リラックス の繰り返し
まず結論から言いますとこういう事です。
集中して考え→リラックスして考える→いいアイデアが出るまでそれを繰り返す
ずっと集中もダメです。
ずっとリラックスもダメです。
そしてまず集中から入ることが大事です。
詳しく説明していきます。
アイデア出る行動① まず机に向かう
オフィスでも自宅でもお気に入りのカフェでも、自分の集中しやすい場所で構いません。
あらかじめ渡された資料や自分で集めた資料に目を通し、重要だと思われる要素を言葉にしてノートやタブレットなどに書き出していきます。
その要素を必要であればマインドマップやマンダラートなどで展開し、アイデアを出すべき方向性を定めていきます。
ちなみに、仕事で依頼されてアイデア出しをするケースでは、あらかじめ多くの情報を与えられることが多いです。そんな場合はどの情報が重要で、どの情報がそうでないか優先順位をつけるのはとても大事な作業です。
また、この仕事を依頼してきたあの人はあんなふうに言っていたけど、それはほんとにそうなのか?などの精査はこのタイミングしておいた方がいいです。
そして、この段階ではアイデアを出すことよりも情報を整理してどんな問題に答えを出せばいいかをより明確にすることが大切です。
上記で紹介した「アイデア浮かばない時の対処法①」で取りあげた「お題の設定」までできれば上出来です。
こうした作業で整理された情報を頭に入れ直します。
脳のエンジンかかってきた人はそのまま企画出しに入りましょう。
集中力が切れるまで、しっかり考えることで「アイデアを出すぞ」と脳に司令を出すのです。
そして集中力が切れてしまったら机から離れ、場所を変えましょう。
なお、マインドマップやマンダラートなどアイデアを生み出すための思考のツールに関しては、こちらの本に沢山紹介されているので興味のある方はご覧になってみてください。
アイデア出る行動② 歩きながら考える
でも煮詰まったらすぐ店を出て、歩きながら考えることにしています。
僕は歩きながら考えるのがほんとに好きで、今まで制作に繋がったり評価された企画は歩きながら思いついたものが多いです。
歩きながら考えるといいアイデアが出るというのは広く認められていることです。
古くはドイツの哲学者カントも毎日決まった時間に決まった道を歩き、考えをめぐらせていたと言われています。
そしてかのスティーブ・ジョブスも歩きながら仲間とミーティングしていたそうです。
また科学的にも歩きながら考えることの有効性が語られています。
・大脳前頭前野の活動が高まり、脳の情報処理レベルが上がる
・海馬の活動も高まり記憶力が向上し、アイデアを生み出すために記憶へのアクセスが良くなる
・歩行というリズム運動でセロトニンが分泌され、リラックスした集中状態を作り出す
セロトニンが分泌されてリラックス状態になると、いいアイデアが生まれやすいと言われています。
セロトニンを増やす行動というのを過去記事にまとめています。興味ある方はこちらもどうぞ。
上を向いて歩く
僕の場合、歩いて考えている時は、目線が自然と上の方を向いていることが多いです。
そのことになにか意味はあるかなと思って、今回調べたのですがこんな言葉が出てきました。
アイ・アクセシング・キュー
ご存知でしょうか?
心理学に詳しい人は知っているかもしれません。
アイ・アクセシング・キューとは、眼の動きから、脳が視覚、聴覚、体感覚のどこにアクセスするしているかを分析したものです。
・一般的に、視覚イメージにアクセスする際は、眼は上の方に動きます。
・音などの聴覚を思い出したりする際には眼は左右に動きます。
・体が何を感じているかを感じるときは、眼は下方に動くとされています。
引用元:日本NLP協会さん
僕の場合、映像など視覚的なアイデアを出すことがほとんどなので、上を見るというのは、この理屈でいうと視覚情報にアクセスしながら考えることになるので、理にかなっています。
アイデア出しをするときに自分の目線をどこに向けるか意識してみるのもいいですね。
音楽など聴覚に関してアイデアを出したいなら横を見る。
触覚や自分の内面や言語的なもの?にアクセスしたいなら下を見るといいそうです。
僕はそのようにして歩きながら考え、歩き疲れたら次のカフェに入る。
という感じでカフェをハシゴしながら普段アイデア出しをしています。
アイデア出る行動③ 移動しながら考える
大昔には、馬に乗っている時にアイデアが浮かぶと言った人もいたようです。
ちょっと信じられませんがw
移動手段は色々ありますが、やはり電車がオススメです。
流れる車窓をぼーっと眺めてリラックスできますし、中刷りなど情報や、いろんな乗客の様子をみながら、今考えているアイデアに、なんらか関係付けられないかと思案してみるのもいいです。
乗客同士の会話の内容なども何かヒントになるかもしれません。
そして電車のガタンゴトンという音や揺れも、アイデア出しにいい作用があるように思えます。
アイデアは移動距離に比例する?
この言葉も良く耳にすると思います。
ちなみにこの言葉は、いざアイデアを出さないといけない時に参考にはなりません。
明日明後日までにアイデア出さないといけないのに、飛行機に乗って海外に行ってる場合ではないからですw
ですので普段からいいアイデアが出せるような行動習慣を身に付けたいっと思った時、参考になる言葉です。
さて、この「アイデアは移動距離に比例する。」は本当にそうなんでしょうか?
私見ですが、ただ遠くに行けばいいというものでもないと思います。
また何も考えず移動ばかりしていればいいというものでもありません。
必要なのは自分の視点です。
ある分野への深い理解や興味を持った視点で、移動先の場所を経験することが大事なんです。
例えばですが、アフリカのコンゴ共和国の人が名古屋に行くのと、東京に住んでる僕が名古屋に行くのとでは、どちらの方がよりアイデアが浮かぶでしょうか?
思うにコンゴから名古屋に来たのでは違いが大きすぎて、見るもの全てが新しすぎます。
そうなると、そのコンゴ人が普段関心を寄せている事柄や深い理解のある分野と、名古屋で体験した事柄に、共通点が見い出しにくいのではないでしょうか?
むしろ東京からきた僕の方が東京とのちょっとした違いに気づき、そこから何か発想できるかもしれません。
「名古屋は5車線以上のデカい道が多いな。両側で十車線だし飛行機の滑走路になるんじゃないか?」とか、
「朝から喫茶店に入りたい人の車で渋滞ができてる。コメダ珈琲にドライブスルーってないんだろうか?」とか、
「地下鉄の乗り換えの複雑さは東京と同じだな。地下鉄覚えるときのコツって何かあったっけ?」とか、色々感じることがあると思います。
自分の生活圏から飛び出して、新しいものに触れることは刺激的で楽しいことですが、その経験をアイデアに変えるには、新しく触れたものと自分との間にどんな結び付きがあるか思いをめぐらせることが大事です。
アイデア出る行動④ アイデアはその日中にカタチにする
そのようにして思いついたアイデアは、なるべくその日のうちに人に伝えられるような形にアウトプットしてしまうことをオススメします。
どのような形のアウトプットになるかはひとそれぞれです。僕の場合はCMの企画なので企画コンテを描くということになります。
実際に手を動かして、アウトプットするとそれまで気が付かなかった問題に気づき、アイデアがよりブラッシュアップされたり、別の切り口が見つかることが多いです。
こういうことは実際に手を動かさないと起こりません。
前述の哲学者カントも「 手は外部の脳である。」という言葉を残しているそうです。
以前読んだ広告クリエイティブの本にも、
「頭の中だけで考えているだけではダメ。手を動かして頭の中にあるものを形にしなければ本当に考えたことにならない。」
というようなことが書いてありました。
ですのでメモ程度に書き留めておいたアイデアは早めに人に伝わるような形にしてあげましょう。
締切直前に、まとめてアイデアを形にしていたのでは、何か思いついてももう時間がありません。
アイデア出る行動⑤ 入浴する シャワーを浴びる
お風呂に入っていると、いいアイデアが浮かぶという話もよく聞きます。
これはなんでか考えると、
・まずリラックスできる
・お風呂での動作は、体を洗うなどルーティーンの作業であまり頭を使わずできる
・シャワーが体に当たる感触や水の音、お湯の温度、水が体をつたう感覚など、体の感覚に意識が向き、一種の瞑想状態になる
こうした条件がアイデアを生みやすくしているようです。
ちなみに瞑想は脳をリフレッシュさせ、ストレスを低減する効果があります。下記の記事で詳しく触れています。
瞑想は、アイデアが生まれやすいよう脳をコンディショニングする効果もあるのかもしれません。
アイデア出る行動⑥ 寝る
「寝ててアイデアが浮かべば苦労しないよ。」
なんて声聞こえてきそうですが、
眠りにつく前にアイデアが浮かぶ人も多いんだそうです。
実際私たちがアイデアを考え始めると、一旦他のことをしだしたとしても潜在意識ではアイデアを出そうと脳が働いているそうです。
眠りに落ちる前の意識と無意識がまじりあう瞬間に、意外な情報の組み合わせが起こり、いいアイデアが誕生するのだと言われています。
それともう一つ、アイデアがなかなか出ない時は粘るのはほどほどにしてさっさと寝て、翌朝に賭けるという手もあります。
睡眠をとることで脳の中の情報が整理されて、翌朝脳内でいい情報のつなぎ合わせが起こる(アイデアが出る)というのはありうることだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
アイデアが出やすい瞬間というのは個人差があると思います。
いろいろ試行錯誤しつつ自分に合ったルーティーン、行動パターンを見つけてみてください。
まとめます。
①まず机に向かってしっかり情報を整理する。
②そしてそのまま集中力が切れるまで考える。
③そうすることで「アイデアを出せ」と脳に強く指令を送る。
④集中力が切れたら机から離れる。
⑤歩く、電車に乗る、場所を変える、などしながら考える。
⑥それでもアイデアが出なければ一旦別のことをする。
⑦、①~⑥を時間の許す限り繰り返す。
⑧「アイデアを出せ」と脳に強く指令を送れれば、入浴や就寝などのリラックスタイムもアイデアを生み出す時間となる。
集中して考え、脳にエンジンを掛けたあとリラックスした状態で考えるという順番が鉄則です。
エンジンをかけずにユルく考え始めてもうまくいかないと思います。
以上になります。
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
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