こんにちはkiyoです。
今回はいいアイデアが浮かばない時の対処法についてお話しします。
商品やサービスの企画開発や、創作活動、表現活動をしている人など、問題解決や面白いことを追及している人の参考になれば幸いです。
対処法はいくつかあるんですが、一度に全部だと長くなり過ぎるので何回かに分けて紹介します。
今回はまず一つです。
僕はイラストレーターを名乗ってますが実はCMプランナーでもあるんです。
新卒でCM制作会社に入社し、2年間CMの企画を経験し、フリーになりCMの絵コンテを描く仕事に転身しました。
絵コンテを描く仕事がメインでありながらも、継続的に企画の仕事も依頼され現在に至ります。
そんな僕の、企画(=アイデア)を出す仕事の経験もまじえつつお話しします。
ではまいりましょう。
アイデア浮かばない時の対処法① お題を疑う
アイデアが求められる時には必ずそのアイデアで解決されるべき問題というものがあります。
なかなかアイデアが出ない。どう考えたらいいのかわからない。
そういう時は、その問題設定が曖昧なことがあります。
つまりお題が悪いのです。
テレビで芸人さんが素人に
「なんか面白いこと言ってよ!」
と無茶ぶりされているのを見たことがあります。
この場合のお題は、
「なんか面白いこと言ってよ!」です。
しかしこれでは、なかなかいい答え(=アイデア)は出ません。
手掛かりが無さすぎて、どこに向かって考えたらいいかわからないからです。
「何か面白いこと言ってよ!」の「何か 」がまさしく曖昧すぎて手掛かりにならないのです。
このような曖昧なお題は自分で手直しして解きやすいお題に作り変えないといけません。
例えば、
「老人ホームで暮らしてるおじいちゃんおばあちゃん達に面白いこと言ってよ!」
「女子高生の前で面白いこと言ってよ!」
「深夜のバラエティで面白いこと言ってよ!」
「全国ネットのゴールデンタイムの番組で面白いこと言ってよ!」
「私モノマネ好きだからなんかモノマネやってよ!」
最後のはこれはこれでむかつきますがwこのように「何か」の部分を状況に応じて具体的なものに置き換えれば、より明確なお題になりアイデアが出しやすくなるのです。
自分でお題を作って自分で解く
10年以上前、あるメーカーの高機能のマウスの、電車内広告の企画をさせてもらいました。
競合プレゼンでした。競合なので他社の企画が採用されれば実制作はできません。
1回目の企画打ち合わせはドン滑りでした。
自分の中でお題がうまく作れていなかったからです。
このマウスが持つ価値は何なのか?どんな問題を解決してくれるのか?というの定義ができていませんでした。
全然何も思いつかず、一応無理やり出した企画の一つは、この商品のマウスが本物のネズミのごとく部屋中を動き回るというものでした。妙なビジュアルではあるけど「だから何?」という反応を喰らいました。
その表現で何を伝えたいのかが完全に抜け落ちていました。伝えたいものが明確でないまま何となく「マウス=ねずみ」という安直で素人並の企画を出してしまったのです。
2回目の打ち合わせに向けて、お題を作るところから始める必要を感じた僕は、1回目の打ち合わせの参加者が話していたことを振り返り、手掛かりを探しました。
そこでアートディレクターさんが仰っていた「効率化」という言葉に目が止まりました。
10年以上前のビジネスの現場でも「業務効率化」は業界問わず共通する課題であり、それに近しいものとして「生産性の向上」という言葉も流通し始めてきた頃でした。
そんなこともあり、この「効率化」というのはあらゆるビジネスパーソンに共通するキーワードだと僕はとらえました。
そしてこのマウスと「効率化」という言葉に共通するものはないかと考えました。
・このマウスは高機能で、普通のマウスよりいろんな操作ができる。
人間工学を考えたデザインで持ちやすく、操作性もよく何よりスクロールがめちゃ早い。
↓
↓
・つまり使い心地がよくサクサク操作できる。
↓
↓
・もしかしてこのマウスを使った方が、そうじゃないマウスより仕事が早く終わるかも。
↓
↓
・業務効率化の手段のひとつかも?
そんな言い方はできないかと考え、こういうお題をつくりました。
このマウスを使うと業務が効率化され生産性が向上する。それを面白く伝える表現を考えよ。
そしてこのお題を解くアイデアを考えることに決めました。
電車内の広告なので中刷りや壁貼りの平面広告がメインです。
なのでまずビジュアルの表現よりメッセージが大事だと考え、以下のようなコピーを書きました。
いつも終電ギリギリなのはマウスのせいかもしれません。
マウスで仕事を効率化。○○のマウス。
オシャレは足元からビジネスは手元から。
マウスで仕事を効率化。○○のマウス。
社長喜ぶ?!マウスを変えたら経費削減?!
マウスで仕事を効率化。○○のマウス。
あなたの労働時間は○○時間減り
自由時間が○○時間増え
就寝時間は○○時間早まり
体重は○キロ下がる。
(当社比)
マウスで仕事を効率化。○○のマウス。
買うべきもの。マウスで仕事を効率化。○○のマウス。
これらのコピーはそのまま採用されたわけではありません。
しかしこの「効率化」という切り口と表現は評価され、専業のコピーライターの方にさらに洗練したコピーにしてもらいました。
コピーに合わせるビジュアルは、当時雑誌SPA!でサラリーマン向け連載コラムのページを担当していたイラストレーターさんを僕が提案し、起用することができました。
この企画はイチオシの案としてプレゼンで提案されました。
結果は見事競合に勝利。この企画が採用されました。
プレゼンをしたクリエイティブディレクターさん曰はく、プレゼンを終えるとその場でクライアントに「飲みに行きましょう!」と言われ、そのまま飲みに行ったそうです。
そして僕は後日、プロデューサーさんに高級焼肉を奢ってもらいました。
まとめ
参考になりましたでしょうか?
つい自分の話が長めになってしまいました(恥)
最後の方は自慢話みたいになってしまったかもしれません。
それに実際の成果物をお見せしていないので、その仕事がどれだけうまくいったのかよくわからないかもしれません。(広告の著作権はクライアントにあるので許可なく使用できないのです。)
それでも、アイデアが出ない状態を何とか切り抜けられた一例として、自身の経験を紹介してみました。
まとめます。
①アイデアを出すこと=答えを出すこと
②答えの前には必ず問題がある
③答えが出ない→問題が悪い?or問題が理解できていない?
④問題をもう一度見直すand必要であれば自分で問題を書き直す
⑤再度問題にとりかかる
以上です。
ありがとうございました。
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